<2024年12月17日追記>
厚生労働省 電子処方箋サービス推進室です。
2024年12月10日に掲載しました本記事において、電子処方箋の発行・応需の際、医療機関・薬局における医薬品マスタの設定が適切に行われていないと、医師・歯科医師が意図した処方とは異なる医薬品が薬局側で表示されてしまう可能性がある旨、注意喚起させていただきました。
本件について、医療機関・薬局において電子処方箋の運用に当たってご活用いただける解説資料及びチェックリストを作成し、厚生労働省HPで公開しました。電子処方箋の運用に当たって、必ずご確認をお願いいたします。
<解説資料>(厚生労働省HP:PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001356418.pdf
<チェックリスト>(厚生労働省HP:Excel)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001356417.xlsx
チェックリストについては、本ポータルサイトにおいても、以下のリンクから確認できます。
https://iryohokenjyoho.service-now.com/csm?id=kb_article_view&sysparm_article=KB0010085
仮に、設定(紐づけ)の誤りに気付いた場合や、登録した医薬品コードが意図せずダミーコードになってしまっていることに気づいた場合などには、以下の対応を取ってください。
・医療機関の場合
直ちに電子処方箋の発行を中止し、紙の処方箋の発行に切り替えてください。当該誤りを修正後に電子処方箋の発行を再開するようにしてください。
・薬局の場合
必ず正しい医薬品コードに修正してから対応するようにしてください。
なお、ダミーコードの登録が一定水準以上となる場合には、個別にご連絡をさせていただく可能性がありますのでご承知いただきますようお願いいたします。
<2024年12月10日掲載>
厚生労働省 電子処方箋サービス推進室です。
日頃より電子処方箋へのご理解・ご協力をいただき、誠にありがとうございます。
本内容は、電子処方箋を適切に運用するための重要なお知らせですので、必ず医療機関・薬局内のシステム担当者にご確認をいただくようお願いいたします。
(本案内に関係する用語の定義・解説は、最後尾に記載しています。)
電子処方箋の発行・応需において、医療機関・薬局における医薬品マスタの設定が適切に行われていないと、医師・歯科医師が意図した処方とは異なる医薬品が薬局側で表示されてしまう可能性があります。各医療機関・薬局において正しくマスタの設定ができているかどうか、今一度ご確認をお願いいたします。
以下がこれまでに報告のあった事例となります。
事例1 医療機関・薬局において独自に使用しているコード(ハウスコード)と、電子処方箋で用いるコード(YJコード、レセプト電算コード、一般名コード)との紐付けが誤っており、意図されたものとは異なる医薬品が表示された。
→ハウスコードとの紐付けを行う際は、紐付け誤りのないようご確認をお願いします。用法コードについても同様です。
ご参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001271027.pdf
(注)コードと医薬品名称などがどのように紐付けられているか確認する方法を把握することも重要です。
事例2 過去に医療機関から、医薬品(A)がダミーコードで記録された処方情報が送られてきた際、薬局においてダミーコードを特定の医薬品(A)として紐付けてしまった(必ずしもコードが画面表示されているとは限らない)。このため、その後に別の医薬品(B)がダミーコードで処方情報として送られてきた際、(同一コードのため)意図されたものとは異なる過去に紐付けてしまった医薬品(A)が表示された。
→以下のダミーコードを特定の医薬品を紐付けないようにしてください。( “2000000X0000”(YJコード)、 “666660000”(医薬品のレセプト電算コード)“777770000”(医療材料のレセプト電算コード))。
→医療機関の記録した医薬品の名称は、薬局にもそのまま送信されていますが、薬局においては、どのように表示されているかをご確認ください。
→ダミーコードは極力使用しないようお願いします。
事例3 システムの更改時の作業において、電子カルテにおけるハウスコードとの紐付け作業の実施が必要であったが、必要な設定や作業すべき処理がされておらず、医療機関の意図しないうちに全てのコードがダミーコードになっていたり、紐付けの誤りが発生したりした。
→システム更改時などは特に、必要な設定や作業すべき処理が漏れていることがないか、改めてご確認ください。
事例4 医療機関のシステム上、薬価基準上の単位で入力する必要があったところ、製剤単位で入力していたため、薬局システムにおいて、意図せぬ単位で表示された。
(例:薬価基準上の単位が「g(グラム)」である外用薬について、1本5g入りであるチューブ剤を「2本」処方したはずが、薬局システムでは「2g」と表示されてしまった。)
・・・医療機関が、数量「2」単位名「本」という内容で電子処方箋を送信したとしても、薬局システムでは薬価基準上の単位を元に表示する場合があり、数量「2」単位名「g」と表示されることがあります。このため、医療機関が薬価基準上の単位とは異なる単位(例えば製剤単位)で入力する場合には、単位を変換する係数(1本5gの場合には「5」(本をgに変換))と併せて送信するシステム上の工夫が必要です。
→医療機関においては、単位を変換する係数を併せて送信するシステムとなっている場合が多いと認識しておりますが、情報の送信のされ方を改めてご確認お願いいたします。
医療機関の記録した数量・単位は、薬局にもそのまま送信されていますが、薬局においても単位や数量の表示のされ方について改めてご確認をお願いいたします。
なお、本件についてはシステム事業者の方々にも、厚生労働省から連絡しております。
引き続き、コードの紐付け等についてわかりやすい資料を作成し、医療機関等向け総合ポータルサイト、厚生労働省ホームページで周知を行いたいと考えており随時案内してまいりますのでご確認いただければと存じます。
<用語の定義・解説>
・「マスタ」:システムへの入力に必要な基礎的なデータを集めたデータ集のこと。
例)医薬品マスタ(薬品名称、規格、薬価基準収載コード、薬価などが登録されている)
・「ハウスコード」:医療機関や薬局が自院(局)で運用しているシステムで使用しているデータ(例えば医薬品のデータ)個々に付与されている独自のコード。
・「ダミーコード」:マスタに登録されていない医薬品などをシステムで利用する際に一時的に利用するコード。ダミーコード自体は特定の医薬品などを意味しないため、併せて医薬品名称などをテキストとして入力するなどの必要がある。
・「単位を変換する係数」:薬価基準上で定義されている単位と異なる単位で医薬品を処方する場合に、必要な変換係数を医療機関システムから記録する。
厚生労働省